「ていうか、なんで返事しなかったの? 金曜日」
「……それきく?」
わかんないよ、わたしだって。
でも、今のまま彼女になったところで……って思っちゃったんだもん。
「考えても無駄無駄。だってなぎちゃん榛名くんのこと好きじゃん」
「……それはまあ、そうなんだけど」
「でっしょー?」
じゃあ、迷う必要なんてなくない?
って。
芙実ちゃんは軽く言う。
聖里くんは……なんでわたしなんだろう。
大して接点もなかったただの同級生だったわたしが、ただの同居人にあがっただけの話だったのに。
「分かってないなあ、なぎちゃん。あのね、一緒に住むって、効力すんごいんだから」
「……そ、そうなの?」
「誰よりも距離近いじゃん。意識しないわけないよねえ。わたしが松野くんと同居なんてしたら……わー、やばいかも!」
ひとりで盛り上がってる芙実ちゃんを横目に、聖里くんと付き合ったときのことを考える。
きっと、聖里くんは今と全然変わらなくて、
……いや、変わらないっていうのは、うそかも。
たぶん、もっと甘やかしてくれる。
いちばんに特別扱いをしてくれる。



