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「もう夫婦だねえ」




いや。……やめて、芙実ちゃん。




今日も一緒に登校してきたわたしと聖里くんを見て、学年中が『なんで今日も?』『あの二人って家近かったっけ?』なんてわたしたちに大注目。



さすがにいたたまれなくなって『もう一緒に来るのやめない……?』と言ってみたら、『なぎさのお願いでもそれは聞けない』と言われてしまった。





全女子がわたしに攻撃的な視線を向ける中、一方で芙実ちゃんはにこやかに暖かい視線を向けている。
たのしそう……すごく。





「目立つの嫌いなのに……」


「えー、いいじゃん。わたしとしては、やっと可愛いなぎちゃんがみんなに知ってもらえた! ってうれしいけどなあ」






うん、当然のごとく悪目立ちだけどね。
そんなオタクみたいな感想抱かれても、肝心な周りの女子はわたしのこと「可愛い」なんて微塵も思ってないけどね。きっと。