そうだっけなあ。
そうだったかも。
聖里くんみたいなかっこいい人と同居してたら、そりゃあ表情もコロコロ変わっちゃうよ。
「気づけば、もっといろんな顔を見たいって、頭の中なぎさしかいなかった」
わたしも。
気づくのが遅くなっちゃったけど、聖里くんのことしか考えられなくなったよ。
「だから……有馬に対してもめちゃくちゃ嫉妬したし、無意識に張り合ってた、んだと思う」
「……」
嫉妬。
張り合う?
ねえ、今から……なに、言おうとしてるの?
「長くなっちゃって、俺らしくないな、ごめん。……でも、なんか。なぎさを前にすると、思ったように言葉がでてこなくて」
こんな風にぐだぐだになってる聖里くん、はじめてみたかも。
緊張が伝わってくる。わたしも聖里くんも、顔赤いよ? 気づいてる?
「……ええと、つまりは」
夕焼けの赤い光が、聖里くんの端正な顔を照らした。
「俺は、折田凪咲のことが好きです」
……。
すき。スキ。隙?
……違う。好き。
今、確かにそういった。



