教室に戻ると、芙実ちゃんがすでにお弁当を間食して待っていた。
長く話しすぎたかな……。
隣に座って買って来たお茶を渡し、黙々とご飯を食べていたら、スマホを眺めていた芙実ちゃんが突然声を出した。
「そういえば、榛名くんまた呼び出されたんだって」
「……そ、そうなんだ」
モテるなあ。
今度はどんな子なんだろう。
かわいいかな。……返事は、どうしたのかな。
そんな先走った妄想ばかりしていたら。
「断ったんだって」
「あ……へえ、そっか……」
「呼び出し自体を」
「……え?」
なんだ、ちゃんと断ったんだ、って安心した矢先。
呼び出し自体って、どういうこと?
「はじめてだよねえ。呼び出しにすら応じなかったの」
……呼び出しに、応じなかった。
つまり、告白すら受けなかったということで。
こんなにも安堵しているのは、やっぱり。
聖里くんを誰にもとられたくないって、焦っているから。
「……安心した?」
「え、……して、ないよ」
「うそつき」
顔を赤くして黙ったわたしに。
「かわい」
芙実ちゃんは、優しい笑顔で笑った。



