未だ否定から入るわたしを叱るように、有馬くんは間髪入れずにいう。
「榛名の横で笑ってるなぎさちゃんをはやく見せてよ」
「え……」
「それ見るまで、死ねないからさ」
言葉が詰まりそうになって、なんとか吐き出す。
「いや……まだ、あと80年は生きてよ」
「ふはっ、今からあと80年も生きたら100歳弱なんですけど」
……計算ミスったけどさ。
そんな笑わなくていいじゃん。
わたしがムスッとしているのもそのままに、有馬くんは「ギネス目指すかあ」なんてのんきに言っている。
「あのさ、俺が言いたいことわかる?」
ひとしきり笑ったあと、有馬くんは一息ついてそんなことを言い出した。
言いたいこと? って……今、全部言い切ったように見えたけど。
「付き合わなかったら許さないからねってこと」
「……うん」
叶うかなあ。
叶ったら、いいなあ。
「なぎさちゃん、がんばれ」
ぽん、と肩に手を置かれた。
タン、タン、と足音を響かせて有馬くんは教室のほうへ歩いていく。
……有馬くんも、芙実ちゃんも。
わたしのことを応援してくれている。
……がんばらなきゃ。



