【完】聖里くんの甘すぎる溺愛に耐えられない。







名前、呼びかけたそのとき。





「なぎさっ」





わたしだけ、パッと振り返る。
……有馬くんは、すべてを察したようにうつむいたまま。




公園の入り口、少し入ったところに立っている影。




間違いない。
わたしの、大好きな人。





「あー……来ちゃったな、王子」






王子?
うーん……確かに、聖里くんは王子様っぽいかも。





歩み寄ってくる聖里くんに、わたしもブランコから降りて駆け寄った。





「……なぎさのこと、こんな夜遅くに連れまわさないで」



「なに、保護者目線? 彼氏目線? てか、一緒に住んでるみたいな言い方だね」






わたしも聖里くんも、立ち上がった有馬くんをじっと見つめる。
否定も肯定もしないわたしたちを見て、彼は「……うっそ、マジで?」と驚きの声をあげた。





「あー……なんだ。やっぱり勝ち目なかったんだ、俺」






それは……どうかな。
有馬くんと結ばれるエンドだって、もしかしたらあったかもしれない。