【完】聖里くんの甘すぎる溺愛に耐えられない。






「なぎさって、学校でも家でも変わんないんだね」


「え? ……そりゃ、まあ」


「孤高の狼ってかんじ」


「わたしってそんなふうに見える?」





一周回って落ち着いたのでイスに座ってカフェオレを作る榛名くんの後ろ姿を眺めていたら、わたしのその問いに彼は「んー」と言って少し動きを止めた。




「いや、やっぱりペンギンかな」


「ぺ、ペンギン?」





想定外の答えに唖然とする。
ペンギンだなんて、はじめていわれた。





「知ってる? ペンギンって、自分が飛べないことを受け入れて、それならせめて上手に泳ごうって努力するんだって」


「へえ……」


「いつも落ち着いてるなぎさにぴったり」





……多分だけど、褒められてる。
わたしは少し恥ずかしくなって、目線を逸らした。



榛名くんって、学校じゃ無口なイメージだけど、家だとこんなに喋るんだ。
なんか全然想像してたのと違うから、なんとなくうれしくなる。





「はい、できたよ」


「ありがとう」





机の上にコトン、と置かれたマグカップ。
おいしそうな匂いが鼻をつく。





「なぎさ、猫舌?」


「えっ、うん」


「だよね。それ結構熱いから、ちょっと放置したほうがいいかも」


「……うん」