「……それに、その質問は、また榛名にしてあげて」
「……え?」
聖里、くん?
だって、聖里くんはわたしのことなんか好きじゃ……。
「なぎさちゃんはまだ何も知らなくていいよ」
ずっと泣きそうだけど、わたしの前だから泣かないようにしてるのかな。
有馬くん、いつもみたいに笑ってよ。
「……わかり切ってるんだけど、さ。この返事は、まだ聞きたくないかな」
うん。
わたしも、まだ返事する勇気なんて、ないよ。
「自分勝手でごめんね。……まだ保留、ってことでいいかな」
「……うん。わたしも、落ち着いたらちゃんと言う」
自然と有馬くんから目をそらした。
どこまでも広がる綺麗な夜景に、もう一度目を奪われる。
こんなところで告白って。
最後まで、どれだけロマンチックなの。有馬くん。
「いっぱい歩いて疲れたね」
「……そうだね」
返事は保留なんでしょ?
あっさり話を変えたわたしに、そんな寂しそうな声出さないでよ。
「もう帰ろ」
それから、また明日。
学校で会ったら、元気にあいさつしてね。
夢のような楽しいお出かけだった。
でも、それももう終わり。
わたし、ちゃんと気づくまでに、こんなに時間がかかった。
……ほんとはきっと、最初から。



