【完】聖里くんの甘すぎる溺愛に耐えられない。








「荷物、置けた?」


「うん、ばっちり。あんな綺麗な部屋、ありがとう」





リビングに降りると、榛名くんがコーヒーを飲みながらイスに座ってスマホを見ていた。
なにしてても様になるな……思わず見とれそうだったよ。





「いいよ。姉ちゃんのおさがりだけど」


「お姉さんいるんだ」


「うん。ちょっと前に教師になる夢叶えて出てった」






お姉さん先生やってるんだ……。
榛名くんが頭いいのってやっぱり遺伝なのかなあ?
常に学年上位で、順位発表のときはいつも話題にあがるもんな。





「なぎさコーヒー飲める?」


「わたしコーヒーにがて」





隠しても仕方ないので素直に言うと、榛名くんはふっと笑った。
……ん? ”笑った”?




「子供舌だね、可愛い。じゃあカフェオレは?」


「……へ、あ、それならのめる……」


「ん、じゃあ作ってあげる」





そういって榛名くんが立ち上がったあとも、しばらく一点を見つめてぼーっとしていた。
榛名くんって、あの榛名くんだよ、ね……?



学校では表情を崩さないクール王子と噂の、あの……。
え、めちゃくちゃ笑ってたし、それに……わたしなんかに”かわいい”って言ってたよ?



もしかして、最初から全部夢なのかな……?
いや、いっそ覚めてほしいまであるけど。



だって、心臓持ちそうにないし。