いいお天気。快晴の青空。
ほんのり涼しい風。
……ちょっとだけ、沈んだままの気持ち。




気晴らしに芙実ちゃんと遊んだ、翌日。
つまりは日曜日。



聖里くんなんてもう知らないと決め込んだものの、話しかけてきてくれないかなと無意識のうちに待ってしまっているのは、もうごまかさない。




……金曜日のあの出来事があって以降、それまでも険悪ムードだったのが少しだけ悪化しただけで、特に変わりはなかったのだけど。



まあ、寂しいの延長?
強いて言うなら、それくらい。
あの喧嘩があって得たものなんて何もなくて、失うものしかない。





昨日寝不足だったのか、まだぐっすり眠っている聖里くんを置き去りにして、わたしは家を出た。



こんなこと、いつまでも考えていたって仕方ない。
時間が解決してくれる。なんて、わたしが言うのは変だけど。




……きっと心のどこかでは、嘘だよね? 何かの誤解だよね? って、聖里くんのことを信じたい自分がいることにも気づいているから。





「おまたせっ」




電車に揺られて都会のほうへ。
まだ人の多くない商店街のシンボルの真下、その人を見つけて声をかける。