「じゃあ、反省はしてるわけね」


「うん」




現実に引き戻される。
朝日は呆れた様子でため息をついた。




「お前さ、折田のこと好きなんじゃないの?」


「……好き」





そりゃもう、意味わかんないくらい好きだよ。
好きすぎて空回った、が理由じゃ、ダメ?





「あんま傷つけんなよ。……折田昨日泣いてたぞ」


「……っえ」


「お前の告白現場見ちゃったあと」





なぎさが……泣いてた?
俺のせいで?




……ああ、マジでなにしてんだ。
好きな子泣かせていい理由なんかどこにもないよな。
ただの言い訳。情けない。






「聖里は、折田とどうなりたい?」


「え。そりゃ……仲直りして、」


「ちげえ。そんな直近の話じゃなくて、最終的な目的のこと聞いてんの」





最終的な。
そんなの、一個しかない。
ありえない。





「……なぎさを、彼女にしたい。俺のものにしたい」


「だろ? はやくしないと取られるぞ、あいつも狙ってるっぽいし」


「あいつって……有馬?」


「そう」




なぎさは可愛いからすぐ好かれるんだ、いろんな男に。
そしてそれを自分で気づいてないのが大問題。



……あんなどこの馬の骨かもわからないようなやつに、同居までしてる俺が負けるわけにいかない。





「こんなとこでぐだぐだ油売ってる場合じゃなかったな」


「……ん」





今はなぎさも高坂と遊んでるみたいだから、また夜、もしくは明日。
話せたら……話せたら、話す。
なぎさに避けられたら、次はどうしよう。




……まあ、それはそのとき考えるか。