「えー、そんなに嫌だった? 傷つくんだけ、ど」
語尾に力をいれた有馬くんに布団をはがされた。
……嫌われたくないなあ。
でも冷静になってみてよ、折田凪咲。
頭にボールがぶつかって倒れた女子を運んでくれただけの状況に、聖里くんが怒るかな……?
いや、うーん、どうだろう。
嫉妬こそしても、それで嫌いになるのは……聖里くんらしくない。
……ん? 嫉妬?
なんで聖里くんがそれを見て嫉妬するんだ、おかしいよ。
するわけない、嫉妬するのはわたしの役目だ。
聖里くんはわたしのことなんとも思ってないし! たぶんね!
……あー、まるで、わたしが聖里くんのこと特別な目で見てるみたいな言い方しちゃった。
ちがうから。断じて、ちがうから。
「えっ、泣くほど? そんなに俺の嫁に来たくない?」
「……有馬くんのお嫁さんにだけは、絶対ならない」
じゃあわたしをもらってくれるのは誰なんだろうね、ははは。
もうだめだ。頭に衝撃食らったせいでバカになっちゃったみたい。
こんな話のときですら、聖里くんのこと考えてる。
聖里くんが……嫁にもらってくれたらいいのにって、思った。



