待つこと数十秒。
白くて大きな扉が、ガチャと音を立てて開いた。
出てきたその人と目が合って、少し。
お互い、固まった。
……男の人だ、勝手に女の子だと思ってた。
ていうか、それ以前に。
この人を、よく知っている。
「……え、今日からうちに来るのって、折田さん?」
よく知ってはいるけど、こんなに近くで声を聞いたのは初めてで、鼓膜が嬉々として揺れた。
名前、知られてた。
そりゃ、いい意味か悪い意味かは置いておいて、ちょっとした有名人だし……。
榛名くんに知られていてもおかしくないよね。
……そうだ、この人は榛名くん。
いま自分で言葉にしてみて気づいた。
今の榛名くんの発言を照らし合わせてみても……。
うん、どう考えたって、この一か月榛名くんと一緒に住むとしか考えられない。
「……そう、だけど」
「……まじか」
口元を手で覆う榛名くん。
近くに立つと本当に身長高いな……。
見上げてたら首痛いや。
「とりあえず、中入る?」
「あっ、うん……ありがとう」
榛名くんに言われるがままに中へ入ると、綺麗な内装が静まり返っていた。
音一つない……。
ご家族は仕事とか、かな……?



