【完】聖里くんの甘すぎる溺愛に耐えられない。






じいっと聖里くんを眺めてみた。
運動中もやっぱり無表情で、昨日の面白くなさそうな顔とか、悲しそうな顔の面影はどこにもない。




……悲しそう?
昨日、聖里くん、悲しんでた?






「んー、でも、なんとかきっかけを見つけて話すしかないよね」


「……そりゃそうなんだけど」


「それが難しいか。んーっ、あたし彼氏としか喧嘩しないからなあ」


「そのときはどうしてる?」


「え、別れる」





……だよね。
芙実ちゃんの話、結構参考にならない。




だって、カップルってわけじゃないし。
これが恋人同士だったらもっと単純な話だったのかな。




聖里くんと仲直りするために、手段を選ぶわけにいかないか?
学校だけど、仕方ない! 無理やりにでも話しかけにいかなきゃ。




そう意気込んで立ち上がった矢先。





「折田、あぶないっ!」





ーーえ?





すこーんっと鈍い音がして、わたしの頭にバスケットボールが直撃。
その衝撃で、そのまま倒れて、なんだか走馬灯が見えた気がした。