知らないかぁ。
有馬くんも結構モテるはずなんだけどな。
「仲いいの?」
「今日、ほぼはじめて喋ったよ」
「ふーん」
なんか面白くなさそうな顔してるね? 聖里くん。
聖里くんがわたしの身の回りの人間関係に突っ込んでくるなんて、珍しい。
「その有馬とかいうやつ、なぎさのこと好きなんじゃない」
「……え? いや、ないでしょ……」
だってほとんど喋ったことないんだよ?
顔こそ合わせてるけどさ。
一目惚れされるような顔面を持ち合わせてるわけでもないし、好きとかない。ありえない!
……聖里くんは、なんでそんなこというの?
「なんかさ、なぎさって警戒心ないよね」
「……なにそれ」
「俺のことも意識しないし、そうやって知らない男にほいほいついてくし」
聖里くん。
言ってる意味が、よく……。
「普通に心配だし、……心配通り越して、見てられない」
ぴしゃんって、頭に稲妻が落ちた感覚。
見てられないって、どういうこと?
わたし、そんなに嫌なことしたかな?
「……もっと俺だけ見ればいいのに」
小さくつぶやかれた言葉は、わたしの耳に届くことなく消えた。
なんか聖里くん怒ってるし……。
空気、悪いな。
「怒らせちゃったみたいだから……頭、冷やしてくるね」
そういって部屋にかけこんだ。
はじめて、聖里くんと喧嘩。
思えばなんでこんな言い方しちゃったのかって後悔だらけ。
怒らせちゃったから、ごめんなさい、でよかった。
……変に意地張って、聖里くんと距離を作った。
意味わかんない。
何がしたいの、わたし。
聖里くんだって追いかけてもこないし。
面白くない。……わたしって、わがままで、最低だ。



