「有馬くんって素朴な感じがしていいよね」
……有馬周音。
正真正銘、わたしのクラスメイトであり、知る人ぞ知る隠れモテ男。
とはいえ、同じクラスになったのは今年からで、去年はクラスが離れていたから接点はほとんどなくて。
噂には聞いていたからこのクラスでの初顔合わせの時も、すぐにあれが有馬くんだってわかったんだけども。
素朴。
特に取り繕うことなく、自然なままのこと。
有馬くんは王子様キャラらしいから、それに付属してそんな言葉がついてきたんだと思う。
確かに、取り繕ってる感じはしない。
男子と女子とで接し方を変えることも、あんまりない。
この数か月観察してきて分かったのはこんなところ。
観察っていうか、同じクラスにいたら嫌でも目に入るしね。
でも喋った感じ、王子様というより、優しさの中に意地悪が混じってる中途半端なキャラだった。
たぶん悪口だから、本人の前では言えないけど。
教室にいると、数分に一回は『有馬』『有馬くん』と彼の名前を呼ぶ声が聞こえてくる。
たまに、有馬くん目当てで上級生が教室までくることもある。
だから、わたしの中での彼のイメージはもっぱら『人気者』。
自分の人気に浮ついてない感じも、高得点。



