【完】聖里くんの甘すぎる溺愛に耐えられない。








昼休みの食堂は、相変わらずがやがやしていて落ち着く暇もない。
トレーにうどんを乗せた有馬くんがわたしの正面に座って、「いただきます」とお行儀よく手を合わせる。




わたしは食堂でお弁当を広げるという、異様な光景。
だって今日は芙実ちゃんからも食堂に誘われなかったし……。





「うわ、なにそれうまそ」


「あ、うん」





わたしのお弁当に釘付けになっている有馬くん。
実は今日も聖里くんに作ってもらったんだよね。
ルンルンしながら綺麗な形の卵焼きを口に運んでいると。




「それ、自分で作ったの?」


「……う、うん、実はね」





ごめんなさい、聖里くん。
自作発言はご法度なのはわかってるんだけど、今の一瞬でうまい言い訳が思い浮かばなかったんだよ……!





「へえ、すげえ。なぎさちゃんって意外と家庭的なんだね」


「い、意外とって! これでも女の子ですしっ」





なんて言っておきながらこのお弁当はわたしが作ったわけじゃないんだけど。
それでもそれなりに家事はこなせてるつもりだよ?




基本家に一人だったから、ひとりで生きていく術は勝手に見についた。