「もう……」
「ごめんごめん、そんな怒んないでよ」
「怒ってない!」
「はいはい」
適当にあしらうようなのもムカつく……。
有馬くんっていつも友達とこんな風に会話してるの?
みんな、手出したくならない?
「そういえば、なぎさちゃんって彼氏とかいないの?」
「へ……か、彼氏? いないよ……」
っていうか、いたことないよ。
いそうに見える? 恋愛経験なんて、片思いしかありませんけど。
「えーうそ、こんなかわいいのに?」
「……からかわないで!」
「いやマジだよ」
「有馬くんの言葉はなんか軽くて信用できない」
王子様系って騒がれてるの聞いたことあるけど、ただの意地悪なイケメンにしか見えない!
……いや、顔が整ってるのは、そりゃ認めるけどさ……。
「心外だなあ。……じゃあさ、仲を深めるためにも、今日のお昼一緒にたべない?」
本当に『仲を深める』のが目的なのかなあ……。
んー、でも断る理由もないし、仕方ないな。
「いいよ」
「まじ? うれしい」
有馬くんの本当に嬉しそうな顔を見てハッと息をのんだ。
なんだ……かわいいとこもあるじゃん。
そうやって話しているうちにいつの間にか教室についていて、到着して早々先生に「遅いぞー」なんて怒られた。
あなたの無茶ぶりのせいなんですけど!
有馬くんとわたしは口々に文句を言って席に着いた。
今度からは何頼まれてもバックレてやろうかな。



