【完】聖里くんの甘すぎる溺愛に耐えられない。






翌日の学校は、一日中そわそわが止まらず、芙実ちゃんに『今日やばくない?』なんて突っ込まれる始末。
だって……落ち着いていられるわけないでしょ。



どんな人が住んでるか聞きそびれた、というのがあとになってじわじわ効いてきて、気になりすぎて頭の中がそれしかない。




さすがに。
引っ越しが住んで落ち着いてから芙実ちゃんに話そうかなって思ったから、何も言ってないけど。





「なぎちゃん、今日カラオケ行かん?」




あっという間に放課後。
当然のように今日の授業は何も頭に入ってこなかったし。
体育ではぼーっとしてて飛んできたボールが顔面直撃して鼻血出しちゃうし。





「あー、ごめん、このあと用事あって」


「用事ぃー? ははーん、わかった! それで今日ずっと落ち着きなかったんだな」


「まあそんなとこ」






芙実ちゃんに断りを入れて教室から出ると、うしろから「あとで何があったか聞かせてよーっ」と声が聞こえた。
ごめん……何日後になるかわかんないや、それ。





わたしは少し駆け足で、家へ戻った。