「みいな!おはよ!」

「おはよールミちゃんっ、今日もすごく素敵!」


茶髪のふんわりボブでスタイル抜群のルミちゃん。今日はいつもよりメイクがしっかり目で大人な色気が出ている。


「みいなも可愛い〜っ!髪、巻いて来たんだね!ナチュラルメイクがやっぱ似合ってるよっ」

「ふふ、ありがとう!」


色素の薄い私の髪は元々癖っ毛だけど、さらに今日は緩く巻いてみた。


「これはまた、直田に捕まるね」

「あー・・・ははは。どうだろうね」


ルミちゃんの言う直田(すぐた)くんは、定期的に私に告白してくれる男の子なのです。


学級委員で、髪の毛は坊ちゃんヘアでキッチリ整えてあって、背筋もいつもピンっとしているから『まっすぐた』なんてあだ名で呼ばれています。


「ハッピーアワーは逃げなよ?」

「・・・うん、そうしようかな」


うちの高校の文化祭は、15時〜16時がハッピーアワーと言われており、お酒の提供はもちろんないけど『告白タイム』という昔からの伝統があるのです。