それは、よくわかりますとも。
確かに昔は、可愛いお顔でよく女の子にも間違われてた気がする。でも今は、誰がどう見てもかっこいい男の子だ。
「ちゃんと男の子だって意識してるよ?」
「・・・・・・じゃあ、もっと意識して」
それは、一瞬だった。
顔が近づいて来るのはわかったけど、避けるなんてことは出来なくて・・・
っ、
さっきよりも長く唇にある感触。
あたたかくて、柔らかい。
2度目の優しいキスは、なぜか、嫌じゃなくて、自然と目を閉じたくなった。
「・・・どう?俺でいっぱいになった?」
ゆっくり離れたその顔は余裕そうで意地悪で。
なのに、綺麗に口角の上がった口元は眩しくて。
ああ、もう。
どうしてくれるんですか。
ドキドキと高鳴る胸が、フライングしてもう答えを出しているみたいだった。
「も、もうちょっと、ゆっくりお願いします・・・」
「え、」
目を見開き固まっている愛斗くん。
何か変なこと言ったかな?
「みいながそんな積極的だったとは」
ボソッとそんなことを言いながら右手で口元を覆いほんのり顔を赤くしている。
「・・・じゃ、遠慮なく」
そう言って何故か近づいて来る綺麗な顔。


