ファーストキスは俺のもの。



「・・・みいなは可愛いよ。俺が今、考えてることわかる?」

「え?・・・・・・えっと、なんだろ?」


自然と顔を上げてしまった。


目の前のあいちゃんの顔が真剣で、私を見つめる瞳が熱を帯びていて、思わず息をのんだ。


「みいなにキスしたい」

「えっ、」

「だめ?」

「っ・・・、だ、だめ、だよ」

「なんで?」

「なんでって・・・、つ、付き合ってないし」

「じゃあ付き合お?」

「っ!そんなっ、簡単にっ・・・」

「簡単じゃない。俺はずっと、みいなのことが好きだったよ」


あいちゃんの顔はずっと真剣で。


すごく無茶苦茶なこと言っているのに、何故か私も強く反抗できなくて。


ど・・・どうしよう。


「ほら、そんな可愛い顔する」

「え?」

「他の奴に見せられないだろ、そんな顔。グズグズしてたら他の男に取られるし。そんなの無理。耐えられない。この離れてた間も、こんな可愛いみいなを他の男どもが見てたって思うと、俺、マジでどうにかなりそう」


隠す気のない独占欲と嫉妬に胸がきゅーっとなった。


「あいちゃん・・・」

「愛斗。それ、みいなに呼ばれるの嫌じゃないけど、昔から男って意識してなかっただろ。俺ももう、健全な男子高校生だから」