ファーストキスは俺のもの。



クイッと肩を引かれたと思ったら、


っ!


!?


目の前には長いまつ毛のイケメンドアップ。


唇には柔らかい感触。


・・・・・・・・・目を開けたまま放心状態の私。



「俺の彼女に何か用?」


西校のイケメンくんが私の肩を抱いたまま、直田くんの方を向いて言った。


「か、かのじょ?」

「そう。俺の彼女。今見てただろ?もう一回見せようか?」


イケメンくんはそう言って私を更に引き寄せた。


「い、いや!・・・すまないっ。相手がいたとは・・・・・・す、すすみませんでしたっ!」


直田くんは怯えた様子で慌ててそう言うと、転けそうになりながら走り去って行った。


「大丈夫?」

「え・・・?」


イケメンくんは、直田くんへ向けたものとは違う優しい声色で私の顔を覗き込んだ。