【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。



向こうで桃くんに気づいた茶髪の女の子ふたり組が手を振っていた。

わたしからは見えるけど、桃くんからしたら背中側で、振り返らないと見えない。

わたしをじっと見つめてるから気づいてないのかも。



「桃くん、呼ばれてるよ……?」

「ん……?」



桃くんが振り返ったら、女の子は嬉しそうにこちらにやってきた。



「ねぇ。今度の日曜日なんだけどさ、うちらとカラオケ行かない?」



耳に髪をかけるしぐさが大人っぽくて、女の人の魅力を感じた。

桃くんと同じ学年の先輩……?

いつもこういう女の子と一緒にいるのかな。


桃くんがモテるのはよくわかるけど、相手の先輩が可愛すぎて、わたしがここにいるのが申し訳なくなる。



「日曜日……か」