「うん……?」
桃くんがトーンを落としてわたしを呼んだ。
いつも明るい桃くんは真面目そうに目線を合わせて聞いてきた。
「俺と藍都って、なにが違う?」
「え……っ?」
桃くんと……藍くん?
「双子なのに藍都のほうがいろいろ器用じゃん。勉強も学年トップだし、部活に入ってないのにスポーツできるし。舞彩にも自然と気づかいができる」
桃くんにとって、藍くんは双子の弟。
一緒に育ってきたからいちばん近くにいて、比べちゃう相手でもあるよね……。
なにがきっかけで桃くんが悩んでるかはわからないけど、藍くんとの違いとか見つけるものでもないし、比較しなくて大丈夫だよ。
「桃くんは良いところいっぱいあるよ!」



