「知ってる」 藍くんもリビングの棚からドライヤーを出して、ソファで乾かし始めた。 ふたりをまとめる翠くんはお兄ちゃんを超えてもはやお父さん。 翠くんは欠点が見つからないくらい完璧ですごい。 「藍と橙が話してたとこは気にしなくていいからね」 「あっ、うん」 いろいろびっくりだったけど、冗談ってことだよね……? 藍くんがわたしを妹以上に見るなんて、ありえないんだから……。