「翠くん、橙ちゃん、行ってきます!」

「いってらっしゃい」

「いってらっしゃい! 彩ねぇ! 桃にぃ! 藍にぃ!」



玄関でローファーに履き替えて、ふたりにバイバイをして外に出た。

高校生の藍くんと桃くんとは毎日一緒に登校している。

学園も同じで、わたしが〝ひとりで登校するのは危ない〟からって、ふたりがいてくれてるんだ。

いつになっても心配性な藍くんと桃くんだけど、わたしが血の繋がった妹じゃないってわかっても、変わらず一緒にいてくれてるからちょっと安心した。



「ねぇ、あそこ! 白石双子王子よ!」



学園に近づいてくると、藍くんと桃くんのファンの子たちが黄色い声で注目してきた。



「今日もかっこいい〜」

「ふたりが双子とか最高すぎる〜」

「目の保養〜。今日も1日頑張れちゃう!」