手を拭き終えた翠くんもこちらにやってきた。
「俺の舞彩だから必要以上に近づくなよ」
翠くんにだけは警戒心が強い藍くん。
〝俺の〟って言ってもらえるのも照れる……っ。
「それは無理かな。俺の妹は彩だけだからね。可愛がりたい時もある」
「ちょっと待てよ、すいせー。それ、俺のセリフなんだけど!?」
桃くんまで会話に参戦して、藍くんはさらにムッとした。
「僕も! いくら藍にぃの彼女だからって、そこまで遠慮はできないかな〜」
「……おい」
「あはは……」
藍くんとのお付き合いをみんなが認めてくれてよかった。
ずっと変わらない、仲良しなこの家族が大好きだなぁ。
「そうだ、彩。ちょっとこっち来て」
「うん……?」



