わたしたちに気づいた橙ちゃんが駆け寄ってきた。
興味津々で目を輝かせながら繋いでいる手と並ぶ顔を見比べる。
「えっとね……」
「舞彩と付き合ってるから」
わたしが恥ずかしくて答えにつまってると、藍くんがはっきりと答えてくれた。
うぅ……。
そんな言葉、まだ慣れないよ……っ。
「……え! やっと!?」
「やっとってなんだ」
「明らかに両想いだったじゃん。とっくに付き合ってるのかと……」
「それならもっと堂々と舞彩とくっついてる」
「ひゃっ」
橙ちゃんの前だというのに、かまわず抱き寄せる藍くん。
「藍にぃ色気あるし、彩ねぇ可愛いから、僕にはすごく刺激的なんだけど……」
「藍と彩、付き合うことになったんだ。おめでとう」



