わたしも藍くんに応えるように、腕をまわして体を近づけた。
藍くんとこうしてると、幸せな気持ちでいっぱいになる。
ずっと〝兄妹〟とか、〝血が繋がってない〟とか、〝藍くんとは想いが通じ合えない〟とか、いろんな感情と葛藤していたから、素直に甘えられて心が満ちていく感じがする。
そっと体が離れて、藍くんがわたしを見つめた。
好きな人が目の前にいる。
想いが通じ合えている。
それだけで、好きな気持ちがどんどん増えちゃう……。
「……その顔はやばい」
「えっ……?」
「キスしたくなる」
キス……!
慣れない単語がまたやってきて胸がドキッとした。
そ、そうだ。
さっきもそういう話をしてたんだった……。



