【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。



「そこなら、誰もこないし」



すこしイタズラな笑みになる藍くんにまたドキッとした。

誰もこなかったら……ちょっとだけ藍くんに寄り添っててもいいかな。



「……うん!」



手を繋いで、藍くんが案内してくれた教室に入った。

秋の夕日に照らされた教室は静かで、クラスも学年も違う藍くんと放課後にふたりきりみたいでドキドキする。

藍くんと同じクラスだったら、こんなふうにナイショでふたりになれたりするのかな。



「舞彩」



名前を呼ばれて藍くんを見ると、腰に手をまわされてグイッと体を引き寄せられた。



「ひゃっ……」

「可愛い。もう、ずっと俺の舞彩だから」



愛おしそうな声でわたしの首に顔をうめて抱きしめる。

わたしたち……恋人になれたんだもんね。



「うん。藍くん大好き」