「そうだね! 彩ねぇ、あそこまで歩けそう?」
桃くんと橙ちゃんが心配してくれて、クレープ屋さんを指さして教えてくれた。
「うん。なんとか」
あそこまでは歩かなきゃ。
これ以上、みんなに迷惑かけられないよ。
ヘラッと笑ったら、藍くんが流れるようにわたしの膝の裏に手を通した。
「きゃっ……」
そのままふわっと視界が高くなる。
「歩くの大変だろ。俺が運ぶ」
「あ、藍くん……!」
「俺の首に手をまわして」
バランスを崩したら藍くんまで転んでしまうから、思わず言うとおりに手をまわした。
こ、これは恥ずかしい。



