思わず目を瞑ってしまったけど、藍くんはずっと握ってくれてる。
「きゃーっ」
「やばい! むりむりー!」
風とみんなの叫び声に包まれながら感じる藍くんのぬくもり。
怖いよりも藍くんの手の温かさのほうが大きくて、あっというまにスタート地点に戻った。
「……やばかった、アレは!!」
「さすが人気のアトラクションだな……」
乗り終えた後はみんなで感想……を言いあうところだけど、わたしはそれどころではなかった。
「彩。大丈夫?」
「う、うん……」
足がガクついて、藍くんの腕を借りないと歩けなくなってしまった。
ごめんね、藍くん。
情けない妹で……。
「とりあえず休憩するか! あそこにテーブルとベンチあるし、ちょうどクレープも売ってるし!」



