「橙くんはその甘えスキルで、いつでもまーやに抱きついてんじゃん。まーやも俺と乗りたいよな?」
桃くんは得意げな顔でグッと近づいてくる。
「その聞きかたズルい! 彩ねぇ、僕と乗ろう?」
「えっと……」
う、嬉しい……けど!
ふたり乗りだから誰かひとりを選ばなきゃいけないわけで……。
誰がいいなんて、言えないよ。
「それなら、彩には4回乗ってもらうことになるな」
「すいせーも隣希望!?」
「そんなに乗ったら彩ねぇ倒れちゃう!」
「あはは。じゃあ、ここは公平にじゃんけんか」
翠くんが苦笑いすると、藍くんが提案してくれた。
「別にジェットコースターにこだわることないんじゃない? 俺は舞彩と乗るから、ほかに舞彩が乗りたいものをそれぞれペアになれば」



