「うん……!」

「わかった。準備するから、座って待ってて」



ダイニングテーブルのイスまで引いてくれて、すぐに焼きたてのフレンチトーストを用意してくれた。



「どうぞ」



コトッとお皿が机に置かれる。

そのまま藍くんは正面に座った。


あれ……?



「藍くんの分は……?」



用意してくれたのはわたしの分だけ。

藍くんは食べないの……?



「舞彩の食べてる姿が見たいから、先に食べた」

「えっ……!」



そんな綺麗な瞳で見られながら食べるのは……!



「恥ずかしいよ……」

「舞彩のために作ったから食べてほしいな」



その言いかたはズルい。

食べるしかなくなるじゃん……。



「いただきます」



ひとくちサイズに焼いてくれたので、フォークでハムッと食べた。



「ん……! 甘くて美味しい」