「吹っ切れてんのかよ……」

「じゃなきゃ好きな子に意識してもらえないからな。藍都はまーやのこと、妹としか見てないんだろ?」



桃くんが試すように聞いた。

それは、わたしも藍くんの言葉で聞きたい答え。


藍くんはなんて言うんだろう。

桃くんがわたしを好きでいてくれることもあまり肯定的ではないから、やっぱり兄妹の恋なんて……。



「…………」



答えを待ったけど、なにも言わずに車道を向いてしまった。

わたしがいるから答えられないんだ。

藍くんにとったら妹としか見てないのは当然。


だから、桃くんに対しても否定的なんだ。

藍くんは誰よりも早くわたしが血の繋がった妹じゃないと知っていたから、わたしを本物の妹としてみようとしてくれてたんだよね。


じゃなきゃ、打ち明けたときにいちばん寄り添ってくれないよ。


藍くんにとったらわたしは〝妹〟。



わたしの恋が叶うこともないんだ……。