藍くんは本当のお兄ちゃんじゃないから。
心の奥で、そういうふうに見えちゃってるのかな……。
釘付けになっていると、ガチャッとリビングのドアが開いた。
「悪かったね、遅くなって」
そこにはバイトから帰ってきた翠くんがいた。
現実に引き戻されて、藍くんからすこし離れる。
「お、おかえり! 翠くんっ」
「ただいま。……彩、なんか顔赤くない?」
翠くんにも言われて、両手で頬を覆った。
わたし、ほんとに赤くなってるんだ……!
翠くんに見られた……っ。
顔を逸らそうとしたら、藍くんが前に出てわたしを隠してくれた。
「舞彩とナイショ話してんだから、こっち見ないで」



