【完】超絶イケメン王子たちは、可愛いお姫さまをいちばんに溺愛する。



優しく声をかけて、わたしを包むように抱きしめてくれた。

藍くんの体温が全身から伝わってくる。



「ありがとう……」



……あれ?

この感じ……前にもあった気がする。



……そうだ、わたしたちがまだ小学生だったとき。

家族みんなで神社近くの夏祭りに行ったら、わたしだけ逸れてしまったんだ。


屋台の通路には人がたくさんいてよけいに迷子になってしまいそうだったから端っこに寄った。

あまり明かりもなくて、ひとりで怖くなって泣いているとき……。



『舞彩……!』



わたしをいちばんに見つけてくれたのは藍くんだった。