藍くんがポケットからスマホを出して確認したのはグループメッセージ。
わたしにも見せて教えてくれた。
「ふたりとも雨が酷いから落ち着くまで学園で待機するって」
「そんなにやばいんだ! 翠くんもバイトだし、3人とも大丈夫かな……」
「大きい建物にいるから大丈夫だろ。それより……」
藍くんがわたしをじっと見てきた。
わたしもその瞳に吸い込まれるように見つめ返す。
「久しぶりに家でふたりだな」
藍くんに言われて気づいた。
今は藍くんと家でふたりきり。
いつも誰かがいるから生活音が聞こえてきたけど、静かなのもあって雨の音がよく聞こえてくる。
どう、しよう。
ふたりって思うと、なんだか緊張しちゃう。



