バーーーーン!バキバキッ!!

「キャー!ジョニデ!超ーかっこいい!」

聖女の暴走回避のために、雷魔法をちゃんと教えておく必要があるのは理解できる。

バリバリッ!ドドーーーーン!!

「キャー!凄い!ジョニデかっこいー!」

でもあんな大技を見せる必要は絶対ないよな?ていうか、教皇強過ぎじゃないか?

「私もやってみたい!一回打ってみていい?」

「最小限の力でお願いしますよ?」

「わかった!あの岩に向かって打ってみる!じゃあ見ててね!指先を光らせる時のイメージ、指先に静電気を集めて、、」

おいおいおい!あれやばくないか?

「あああ!集め過ぎた!ジョニデ!これどうしたらいいの!?」

「戻せないならもう打つしかないですね。皆さん!あちらの岩影に避難して下さい!」

「え?私は?私はどうするの?」

「大丈夫、聖女には自然治癒がありますから」

「ええ!?怪我するの確定?死んだら治癒できないよね?本当に大丈夫なの?」

「ほら!早くしないと、どんどん大きくなりますよ!」

「いやーーー!助けてーーー!」

バリバリッバリバリバリバリッ!!
ドッゴーーーーーーーーーン!!!

爆風で吹き飛ばされた聖女に、粉々に砕けた岩の欠片が降り注ぐ。

「ううう、ジョニデが酷過ぎるう」

自然治癒、凄いな。あの衝撃もカバーするのか。

「最小限でと言ったじゃないですか、気を付けない聖女が悪いです」

「だって初めての魔法は力加減がわからないんだもん。指先ってのも良くなかった。普段は針をイメージするのに、指だからドバッと魔力が出ちゃったよね。大丈夫、何回かやればコツがわかるから」

「そうですね。聖女の場合制御が難しそうなので、それが一番てっとり早いかもしれませんね。そういうことなので、皆さんはここから離れるか、しばらくそこに隠れていて下さい」

怖いもの見たさなのか、腰が抜けたのか、そこから動くものは誰もいなかった。

そしてしばらくの間、戦争さながらの光景が目の前で繰り広げられた。

魔法がこんなにも危険なものだとは知らなかった。

教皇はもちろん、聖女には絶対に逆らわないと心に決めたのは、多分俺だけではないだろう。