東条朝都はテントウムシをクモの巣から助けたことがあった。ところが、それはテントウムシではなく妖精だった。
 ある日、朝都の部屋にテントウムシが飛び込んできた。テントウムシは朝都のとこに来た。朝都の手にとまった。
 「お、テントウムシ」
 と、朝都。朝都はあのとき助けたテントウムシじゃないかと思った。朝都はテントウムシが止まった指を顔に近づけた。
 「お前、あのとき助けてやったやつだな」
 「そうでございます」
 と、テントウムシが言った。
 「え」
 朝都はびっくりした。幻聴?朝都はテントウムシを見つめた。
 「お前、しゃべった?」
 「はい。ご主人様」
 と、テントウムシ。
 「お前はあのとき助けたやつか」
 と、朝都はきいた。
 「そうです」
 「そうなんだ」
 「ぜひご主人様におつきしたくて、こうして参りました」
 「テントウムシが、恩返しするのか」
 「私はテントウムシではありません」
 「え」
 「私はテントウムシのような姿をした妖精なのです」
 「えええええええええええ」
 朝都。
 「わたくし、星子と申します」
 「えええええええええええ」
 「俺、朝都」
 「そうでございますか」