「ねぇ、紫都。私ね紫都のことが好きだよ。男の子として。」


っ...!

嬉しい。

嬉しいけど、言ったじゃん。

俺と仲良くしてもつらいのは紗和だって。

それを分かった上で言ってるの?


「紫都が病気で、辛いのは分かってる。でも、私は紫都のことが好きだし、何があっても変わらない。」

「...!」

「紫都。好きです付き合ってください。」


あぁ、好きな子に好きだと言ってもらえて、病気も受け入れてもらって、とても、幸せだ。

受け入れても、良いのだろうか。

というか、好きでいてくれているんだったら告ればよかった。

それくらい俺も紗和のことが好きだった。


「俺は病気でいつどうなるか分からないけど、俺も、紗和が好きだっていう気持ちは変わらない。」

「...! ありがとう。紫都!」

「じゃあ、カレカノってことで良いんだよね?」

「ん。よろしく。紗和」


嬉しい。

嬉しい。

嬉しい。

きっと俺の今までの人生の中で一番うれしい。

ありがとう。

紗和。

覚えていないかもしれないけど、

俺の心を救ってくれたのは、いつだって紗和だった。


病気のことを知って、困惑してしまっていた時に、紗和の笑顔を見て、この子と一緒にいるために頑張って治そうと思えた。

熱を出した時も、親に言わず、無理して倒れた俺に怒った時も、俺のことを思って怒ってくれた。

もちろん、親にも感謝しているけれど

やっぱり好きな子は強い。

ごめんね。紗和。



俺が病気じゃなければ、悲しい思いをさせることもなかったのにね。