私はブーケを前に出した。

「今度はブーケを受け取ってくれる?」

「うん。もちろんだよ」

受け取ってもらえた!

「ねぇこっち見て」

「?ど…」

急にはるくんの顔が近くなったと思ったら、唇に温かい感触が…!

「ふふっ、ふゆりのファーストキス貰っちゃった」

「キ、キ、キス!今のキスなの?」

「そうだよ。ふゆりの唇柔らかかったな」

顔がまた一気に赤くなった気がする。

なんかはるくんのペースに飲み込まれているような気がする…。

それはちょっとやだから仕返ししてやろう!

「ふゆり?」

「急にキスするはるくんなんて知らないもん」

そうやって怒ってますよ!って言う顔をしたんだけど…。

「ふゆりすねてるの?可愛いね」

「!拗ねてないもん!もう!はるくんちょっとしゃがんで!」

「いいよ」

そう言って私の目線までしゃがんでくれた。

「ふゆり?」

よし!今だよね。

ちゅっ。

そう言うような音が響いた。

「えへへ。さっきの仕返し」

「はぁふゆりからのキスだなんて嬉しいな。ほんとふゆりの願いならなんでも聞いてあげちゃう」

「ほんと?」

「うん。なんか欲しいものとかあるの?かってあげるよ?」

「あのね?欲しいものじゃないんだけどね…その前みたいにふゆってよんでくれませんか?」

はるくん今さっきから『ふゆり』って言って前みたいに『ふゆ』ってよんでくれなかった。

だからもう一度『ふゆ』ってよんでほしかった。

「そんなことでいいの?」

「そんなことじゃないよ!はるくんにだけに呼ばれるのが嬉しかったから!」

「いいよふゆ」

はるくが『ふゆ』って呼んでくれた

「本当に可愛いね」

「はるくんはかっこいいよ」

「はぁーこれはころしにきている」

「なんかやっちゃった?」

「大丈夫だよふゆはずっと俺のそばにいて」

あっ!そういえば紗奈さんから教えてもらった魔法の言葉も今言おう。

「うん。『私とケンカしてもずっと一緒にいようね』」

❅•❅•❅

そうして、春の王子と学園の花は付き合ったのであった。

また、貴公子とプリンスも付き合ったのである。

そしてこの四人は学園公認のカップルとして知られるようになる。

もちろん学園の花とプリンスは知らない…。

春の王子と貴公子は…。

妖精が教えてくれた魔法は二人とも効いたよう。

あれ?噂をすれば妖精と…もう一人の可愛い妖精?

あら、今度は妖精の恋?

でも、妖精の恋はまだちょっと先みたい。

さて妖精はどんな恋をするのかしら?

楽しみね…。