利瀬くんの甘さに溺れたら


尋常じゃないくらい心臓がバクバクして、そのまま爆発してしまいそうだ。



っ…今、このまま告白したら…どうなっちゃうんだろう。



これまで利瀬くんが私にくれた言葉の数々を思い出しては、もしかしたら…なんて淡い期待が膨らむ。



だって、こんなのもう告白されてるみたいなものだよ…っ?



期待しちゃうのも、わかって欲しい。



……でも、もしここで告白したとして。



利瀬くんの顔は…表情は、全然わからない。



ちゃんと利瀬くんの顔が見える場所で、私の言葉で揺らぐ利瀬くんが見たいの。



「っ利瀬くん、ちょっと話したいことがあるの。だから…えっと、二人になれるところに行きたい…です」



「ん、わかった」



私のお願いを聞いてくれた利瀬くんは、そのまま手を引いてダンボールから出ていく。



「ちょっ、ちょっと待って利瀬くんっ…!手、繋いだままじゃ…」



「…嫌だ?俺と手繋ぐの」



「っ…」



だから、それはずるいって利瀬くん。



そういう聞き方をすれば、私が断れないことを知ってて言ってるんだ。



…ずるい、ずるすぎる。