利瀬くんの甘さに溺れたら


「…瑠々、なんか緊張してる?」



「へっ!?」



…ば、バカすぎるよ私…!!



利瀬くんの言葉に思いっきり動揺してしまい、変な声が出てしまった。



これでは肯定しているようなもの。



「ふっ…瑠々って、ほんとわかりやすいよね。隠し事とか下手そう」



「う……」



暗いから利瀬くんがどんな顔をしているのかわからないけど、ニヤけてることだけはわかる。



羞恥心でぶわっと頬が熱くなっていくような感覚に、暗くてよかったと心から思った。



「俺相手に緊張してくれてるの?」



利瀬くんのその言葉に、少しだけ引っ掛かりを覚える。



「し、してくれてるの…って、どういうこと?利瀬くんは…」



利瀬くんは、私が利瀬くんに緊張してたら…嬉しいの?



そう聞きたかったけど、なかなかあと一歩が踏み出せない。



…どう返されても、上手く反応できる気がしなかったからかな。



なのに、利瀬くんは続けて爆弾を落とした。



「…俺は。瑠々が、俺のことを意識してくれてたら嬉しいって思うよ」



「っ!!」



いつもより低めの声。



骨ばってゴツゴツした大きな手に、私の手は優しく包まれた。