利瀬くんの甘さに溺れたら


そしてまたやってきたのは、利瀬くんが提案してくれたプラネタリウムの教室。



今ちょうど一組の男女が出てきて、係の人が「どうぞー」と案内してくれた。



「瑠々、先入っていいよ」



「あ、ありがとう」



利瀬くんにエスコート?されて、ドーム型のダンボールの中へいざ入る。



そして、入った瞬間感嘆の声を漏らした。



「…って、わぁ〜…!すごいっ…!」



頭上を見上げれば、そこには満天の星空が広がっていて。



「ほんとだ……これ、すごいね」



利瀬くんも珍しく感動しているのか、隣から小さなため息のようなものが聞こえた。



「本当にプラネタリウムに来てるみたい…」



「たしかに…結構リアルかも」



「う…うん、ね」



滅多にプラネタリウムとか行かない私でも、そんな錯覚を覚えてしまうくらいに良くできている。



でも、今の私はプラネタリウムの出来よりも、他のことが気になって仕方がなかった。



な、なんか……距離近くない…?



このドーム型のダンボールは、そこまで大きいわけではない。



だからか、利瀬くんの肩と肩がぶつかりそうな距離で少し緊張してしまう。