利瀬くんの甘さに溺れたら


「思いのほか男士が頑張ってくれたみたい。ってことで、みんなお疲れ様!解散です!」



「「「いぇーい!」」」



えぇっ…!?そんな感じでいいの…!?



とても明るい衣装係のメンバーは、その子の合図と共に被服室を去っていってしまった。



残されたのは私と利瀬くんの二人のみ。



「俺たちも、どっか行こっか。ずっとここにいても仕方ないし」



「そ…そうだね!」



「お腹すいたでしょ?なにか買いに行こう」



確かに、朝ごはん食べたきりだったからもうお腹ぺこぺこだ。



「なに食べたい?瑠々の好きなとこ行こうよ」



「え…いいの?本当に?」



「うん、もちろん」



利瀬くん、本当に優しいなぁ…。



そういう優しいところ、本当に大好き。



って、いけないいけない…!



思わず本音が漏れそうになり、口を閉ざした。



ここで言ったら、後々がやっぱり怖いよ…。



せめてもう少しだけでも、利瀬くんと文化祭を楽しみたい。



「えっと、三年生がやってるチュロス買いに行きたいんだけど…」



「へぇ、美味しそう。早速行こっか」



「うん!」