でも、嬉しい。
蒼汰さんを想って過ごした4年間も、蒼斗を産んだことも。なにも間違っていなかったのだと、今ならそう思える。

離れていた時間は、より一層蒼汰さんを好きにさせた。
辛いこともあったけれど、それ以上の幸せを掴むことができた。

それはきっと、相手が蒼汰さんだから。
蒼汰さんでなければ、意味がなかったんだーー。


「今のうちに、食事終わらせようか」

「そうですね。お寿司、ちゃんと味わって食べたい」


顔を上げると、ご両親もなにやら楽しそうに会話をしている。

私たちも、いつかこんな夫婦になれたらいいな。
ううん、絶対になるんだ。

そしていつか、蒼斗が大人になったら……私たちのことを話したい。
次の夢は、それかな。


「はぁ……ウニ、美味しい」

「……なぁ、莉乃」

「はい。どうしました?」


お寿司を堪能していると、蒼汰さんが顔を近づけて来る。
そして、耳元で話し始めた。


「近いうちにさ……抱かせて」

「なっ……!?」


まさかの爆弾発言に、体温が上昇していくのがわかった。

でも……私も同じ気持かも。
あのときは、ちゃんと蒼汰さんを受け入れられていなかったから。

「……お願いします」と、蒼汰さんにだけ聞こえるように、小さな声で呟いた。