もしかして“寮也”て
 あの“夢”に出てきた、あの…
 ウソでしょ?!
「ねぇ、もう1回名前言ってもらっていい?」
 これが聞き間違いじゃなかったら…
「いいけど、俺は“岡部寮也”わかった?」
 やっぱり間違いない、“寮也クン”は
 “夢”にいつも出てくる。
 だけど、名前だけが、同じってことも
 ありえる。
「うん!!わかった、“寮也クン”でしょ!
 バッチリ、バッチリOK。」
「おい!俺の名前聞いといて、お前の名前は、
 何なんだよ」
 そっか、私の名前教えてなかったっけ…
「私の名前は、“渡辺乃乃愛”だよ!」
 そういえば、寮也って私のこと
 覚えてんのかな??
「ヘェー、“乃乃愛”結構カワイイ名前だな。
 ねえ、よかったら俺たち付き合わない?
 俺さぁ、お前にひとめぼれしたっぽい。」
「付き合うのはいいけどさ……」
「何なんだよ、いいんだろ!」
 モー、女の子の気持ちわっかてないな。
「あのさぁー、名前で読んでくれる!
 名前で…わかった?乃乃愛だよ。」
「わかったよ。俺ん家こない?」
 るから無理。」
「風邪ってことにしちまえばいいじゃん。」
 そっか、そのてがあったか、寮也って
 頭いいんだ。
「うん!風邪ってことにする。」
「それじゃ、行くぞ!」
 

 その日の朝は、私と寮也を包み込む
 ように、太陽の暖かなライトアップを
 浴びていた…