優衣ちゃんは、落ちた火種に一瞬寂しそうな表情を見せると、すぐに立ち上がって帰ろうとした。




「あ、ちょっと待って…」




呟くような声量で届くはずがない距離にいるのに、話しかけたくて輪から離れようとすると、


「雅くん!この花火一緒にやろう?」


距離が妙に近い女の子が、俺を引き止めようと腕を絡ませてきた。





何で今……。




みんな優衣ちゃんが、一人で花火をしていることを知っているはず。